準備

はじめに

このチュートリアルでは、パターンマッチングのクエリの作成と実行方法について説明します。パターンマッチングはTigerGraph 2.4以降のバージョンで提供されています。

GSQL 101のチュートリアルを終了していることを前提としています。そうでない場合は、先にGSQL 101を完了してからこちらを始めてください。

このチュートリアルはTigerGraph 3.0のリリース時に更新されています。古いバージョンをお使いの場合は、そのバージョンのドキュメントに変更してください。

グラフパターンとは

グラフパターンは、グラフスキーマに表示されるトラバーサルトレースです。パターンは繰り返されるステップを含むことができます。パターンには線状のトレースもあれば、線以外(ツリー、円など)のトレースもあります。例えば、Person という頂点タイプとFriendshipというエッジタイプによって構成される単純なスキーマの場合、パターンは次のようにその単純なスキーマ内のトレースを指す場合もあれば、

Person - (Friendship) - Person - (Friendship) - Person

次のように *2を使って、2つの連続したFriendshipのエッジを指す場合もあります。

Person - (Friendship*2) - Person

パターンマッチングとは

パターンマッチングは、指定されているクエリパターンが適合するサブグラフをデータグラフ内で探索する処理です。

TigerGraph環境の準備

ここでは、TigerGraphインスタンスのすべての権限を持つ唯一のユーザーとして実行していることを前提としています。マルチユーザーのエンタープライズエディションをお使いの場合は、データベース管理者の方と相談してください。空のグラフに対する、デザイナーまたは管理者の権限が必要です。チュートリアルの各所に、ファイルをダウンロードするリンクがあります。大半のファイルは小さいものですが、グラフデータファイルは解凍すると1GBになります。

まず、GSQLにアクセスできること、お使いのバージョンが3.0以上であることを確認してください。

  1. Linuxシェルを開きます。

  2. 次のように gsql と入力します。GSQLシェルのプロンプトが次のように表示されます。

  3. GSQLシェルにversionと入力します。次のように、2.4以上と表示されるでしょう。そうでない場合には、最新のバージョンを https://www.tigergraph.co.jp/get-tigergraph/ からダウンロードしインストールしてください。

    Linuxシェル
    $ gsql
    GSQL > version
    GSQL version: 3.0
  4. GSQLシェルが起動しない場合は、「gadmin start all」でシステムをリセットしてみてください。これにより、まだ開始していない各サービスが起動されます。それでもうまく行かない場合には、「 TigerGraphをgadminで管理」のドキュメントをご覧ください。

  5. データカタログが空の状態で、シェルを起動させる必要があります。必要であれば、まず drop all を実行して、カタログをクリアしてください。

チートシート

以下は GSQL 101で説明があった一般的なコマンドです。

  • Linuxシェルのコマンドには % の接頭文字がついています。大多数のgadminコマンドは、TigerGraphの管理者権限がなければ実行できません。

  • GSQLシェルのコマンドには GSQL> の接頭文字がついています。

コマンド 説明

% gsql

GSQLシェルにインタラクティブモードで入る

% gsql '<GSQLコマンドの文字列>'

GSQLコマンドを1つ実行する

% gadmin status

TigerGraphサービスのステータスを確認する
+ (グラフストアが空の場合は、
+ 一部のステータスが赤くフラグされることがあります)

% gadmin restart

TigerGraphサービスを再起動する

GSQL> ls

グラフスキーマ、読み込みジョブ、クエリをリストする

GSQL> show user

ユーザー名とロールを表示する

GSQL> drop all

スキーマ全体、すべてのデータ、すべてのジョブ、

すべてのクエリを削除する

GSQL> exit

GSQLのインタラクティブシェルを終了する